ブログ

2026-09-20 15:06:00

「なんでできないの?」を少しだけ変えてみる

「なんでできないの?」 子育てをしていると、ついそんな言葉が出てしまうことがあります。 朝の支度をしている時。 何度言っても片づけない時。 宿題がなかなか進まない時。 同じことを何度も伝えているのに、うまくいかない時。 「もう時間がないのに」 「さっきも言ったのに」 「どうして分からないの」 そんな気持ちが積み重なると、 「なんでできないの?」 という言葉が出てしまうことがあります。 でも、ほとんどの親御さんは、子どもを責めたいわけではないと思います。 本当は、 「どうしてうまくいかないのだろう」 「どうすればできるようになるのだろう」 「この子が困らないようにしてあげたい」 そう思っているのではないでしょうか。 子どもの成長を願っているからこそ、つい強い言葉が出てしまう。 それは、珍しいことではありません。 毎日いつも穏やかに、余裕を持って子どもと向き合うことは、簡単なことではありません。 親も仕事があります。 家事があります。 時間に追われる日があります。 疲れている日もあります。 自分自身がうまくいかない日もあります。 そんな中で、毎日子どもに完璧な言葉をかけ続けることは難しいと思います。 だから今回の動画は、 「そんな言葉を使ってはいけません」 と保護者を責めるために作ったものではありません。 むしろ、 「少しだけ言葉を変えるだけでも、子どもの受け取り方は変わるかもしれない」 ということをお伝えしたくて作りました。 大人の言葉と、子どもが受け取る言葉は同じとは限りません たとえば、 「なんでできないの?」 という言葉。 大人としては、 「どこで困っているの?」 「何が分からないの?」 「どうして進まないの?」 という意味で言っていることがあります。 でも子どもには、 「自分はできない子なんだ」 「また怒られた」 「自分はダメなんだ」 と届いてしまうことがあります。 もちろん、すべての子どもが同じように受け取るわけではありません。 でも、子どもは大人の言葉を、大人が思っている以上に敏感に受け取ることがあります。 特に、何かがうまくできず、本人自身も困っている時には、大人からの一言が心に強く残ることがあります。 子ども自身も、 「やりたいのにできない」 「分かりたいのに分からない」 「みんなみたいにできない」 という気持ちを持っていることがあります。 そんな時に、 「なんでできないの?」 と言われると、 本人も答えが分からないまま、さらに苦しくなってしまうことがあります。 「できない」には理由があります 子どもが何かできない時、 それは必ずしも、 「やる気がない」 「ふざけている」 「努力していない」 ということではありません。 たとえば、 言葉だけでは分かりにくいのかもしれません。 一度にたくさんのことを言われると整理できないのかもしれません。 周りがにぎやかで集中できないのかもしれません。 何から始めればいいのか分からないのかもしれません。 失敗することが怖くて動けないのかもしれません。 見通しが持てず、不安になっているのかもしれません。 つまり、 「できない」 という行動の後ろには、 その子なりの理由があることがあります。 だから、 「なんでできないの?」 と聞く代わりに、 「どこが難しかった?」 と聞いてみる。 たったそれだけで、会話の方向が変わることがあります。 「なんでできないの?」は、 できなかった結果に目を向ける言葉です。 「どこが難しかった?」は、 一緒に理由を探そうとする言葉です。 子どもにとっても、 「怒られている」 ではなく、 「困っているところを一緒に考えてくれている」 と感じられるかもしれません。 「早くして!」を「一緒にやろう」に変えてみる もう一つ、子育てでよく出てくる言葉があります。 「早くして!」 朝は特にそうかもしれません。 着替えが進まない。 ご飯を食べるのが遅い。 靴を履かない。 ランドセルの準備が終わらない。 大人には時間が見えています。 「あと10分で出ないと間に合わない」 と分かっています。 でも子どもは、大人と同じように時間を感じているとは限りません。 「早くして」 と言われても、 何をどこまで、どうすればいいのか分からないことがあります。 だから、 「早くして!」 を、 「一緒にやろう」 に変えてみる。 たとえば、 「まず靴下を履こう」 「次はシャツね」 「ここまで一緒にやろう」 と、一つずつ進める。 それだけで動き出せる子もいます。 これは、子どもを甘やかすということではありません。 できないことを全部大人がやってあげる、ということでもありません。 子どもが自分でできるようになるために、 最初は少し支える。 できるようになってきたら、少しずつ手を離す。 それも大切な支援だと思います。 言葉は、子どもの「自分を見る目」をつくります 子どもは、自分自身を客観的に理解する力が、まだ育っている途中です。 だから、 周りの大人からどんな言葉をかけられているかは、とても大きな意味を持ちます。 「またできなかったね」 と言われることが続くと、 「自分はできない子なんだ」 と思うようになるかもしれません。 でも、 「ここまではできたね」 「ここが難しかったね」 「次はどうしたらできそうかな」 と言われれば、 「自分は考えていいんだ」 「できる方法があるかもしれない」 と思えるかもしれません。 子どもは、大人の言葉の中で、自分の姿を少しずつ作っていきます。 だからこそ、 大人が使う言葉は、 子どもの安心にも、 挑戦する気持ちにも、 自信にもつながります。 でも、完璧な言葉がけを目指さなくて大丈夫です ここで一番お伝えしたいことがあります。 この話を読んで、 「今まで悪い言い方をしてしまっていた」 「私はダメな親かもしれない」 と思わないでください。 子育てで、いつも完璧な言葉を使うことはできません。 大人だって感情があります。 疲れます。 イライラします。 余裕がなくなることもあります。 だから、 一度も強い言葉を使わないことを目指す必要はありません。 「言ってしまった」 と思ったら、 次の一言を少し変えればいい。 「さっきはごめんね」 「もう一回やってみよう」 「どこが難しかった?」 そう言い直せばいいのです。 子どもとの関係は、 一度の言葉で決まるものではありません。 何度でも、やり直すことができます。 言葉を変えるということは、見方を変えること 私は、 「言葉を変えましょう」 ということだけを伝えたいわけではありません。 本当に大切なのは、 【子どもの見方を少し変えること】 だと思っています。 「どうしてできないの?」 から、 「何に困っているのだろう」 へ。 「言うことを聞かない」 から、 「どう伝えたら分かるだろう」 へ。 「やる気がない」 から、 「どこなら始められるだろう」 へ。 大人の見方が変わると、 自然に出てくる言葉も変わります。 そして言葉が変わると、 子どもの表情も変わることがあります。 支援の場でも同じです これは家庭だけの話ではありません。 私たち支援者にも同じことが言えます。 「何回言ってもできない」 「どうして分からないのだろう」 と思った時、 子どもだけを変えようとするのではなく、 支援する側も立ち止まる必要があります。 伝え方は分かりやすかっただろうか。 環境は合っていただろうか。 課題は難しすぎなかっただろうか。 その子に合った方法だっただろうか。 支援とは、 子どもに頑張らせることだけではありません。 大人の側が、どうすればその子に届くかを考え続けること でもあると思っています。 一言を変えるだけで、関係が変わることがあります 言葉は小さなものです。 でも、その小さな一言が、 子どもの心を少し軽くすることがあります。 「なんでできないの?」 ではなく、 「どこが難しかった?」 「早くして!」 ではなく、 「一緒にやろう」 「また失敗したの?」 ではなく、 「次はどうしたらできそうかな」 それだけで、 子どもは、 「自分のことを分かろうとしてくれている」 と感じられるかもしれません。 そして、その安心が、 次に挑戦する力につながることがあります。 今日から、ひとつだけ 全部を変える必要はありません。 毎日の言葉を、全部見直す必要もありません。 今日ひとつだけ。 一つだけ言い換えてみる。 それで十分です。 もし、 「なんでできないの?」 と言いそうになったら、 「どこが難しかった?」 に変えてみる。 もし、 「早くして!」 と言いそうになったら、 「一緒にやろう」 に変えてみる。 それだけでも、 親子の間に流れる空気が少し変わるかもしれません。 子どもにとっても、 大人にとっても、 少し楽になるかもしれません。 子育てに正解はありません。 いつも穏やかにできなくても大丈夫です。 迷ってもいい。 言いすぎてしまう日があってもいい。 またやり直せばいいのです。 私たちエヌ.かんぱにぃも、 子どもだけに変化を求めるのではなく、 私たち支援者自身も、 言葉を振り返り、 伝え方を考え、 その子に届く方法を探し続けたいと思っています。 今日、ひとつだけ。 【言葉を少し変えるだけで、安心は変わります。】 そして、 【子どもは、言葉の中で育っていきます。】 今日の一言を、 ほんの少しだけやさしく。 それだけでも、 子どもの心に届くものは変わっていくのだと思います。 特定非営利活動法人エヌ.かんぱにぃ 中里りか